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メッセージ

1985年に東川に移り住みました。
あっというまに30年近くもの年月が経ちました。
周りに植えた木々も大きくなり、夏にはすべてを覆うほどになりました。

この田舎に住もうと決めたのは、会社設立から7年目の時です。
廃校になった学校の廊下には、雨受けのバケツが置かれていました。
譲り受けた時は、「学校」という子供たちを育んできた年老いた建物でしたが、
今までの厳しい環境を乗り越えてきた凛とした佇まいに、その誇りを見たように思いました。

それは今も変わりません。
なぜここに来たのでしょうか。

思えば、若き時代を旭川の中心地で暮らしながら、都会の喧騒、
あくなき経済活動、すでにはじまっていた物質への欲求、傷ついてゆく自然への無関心さ、
そのような中で、「田舎暮らしを始めたい」という思いだけが、この地に住む目的でした。
そして、家具づくりを始めました。

「職人を育てる為に与えられし、東川第5小学校」と感じていました。
衣・食・住と言いますが、この地で家具を作り、暮らしの道具を集め、
住まいを表現してゆく中で、その頂点にある暮らし、
住まい、家、という表現をしようと決めたのは、2000年のこと。
それから14年目を迎えようとしています。
家づくりも、スタッフ、知識、環境が整ってきたように感じています。
家具から始まったこと、工場があって職人がいること、この強さ、
他に出来ないオリジナリティ、木を熟知している人々、
そして自社の大工たちが技を出し合って作る家。
技能がひとつになってできる場が整ってきました。

道具としての家具、住まいを彩る雑貨、そして性能のよい家。
家族の暮らしの場で一緒に時を過ごす、永く使い続けられるもの、自然素材のもの。
数え上げるとたくさんの表現という知恵を、この地でいただきました。

これからもずっと自分の一生が終わるまで、そして次の世代に受け継がれてゆきますよう。
もうすぐ70歳を数えるこの頃です。

2014年 代表 渡邊恭延